「なんもしない人」の価値。

少し前に、ツイッターから人気が出た「レンタルなんもしない人」さん。  
愛読書がヨガの聖典「バガヴァド・ギーター」であるということと、
私の大好きなプーさんの名言が「何もしないをする」。
「気になるわ~♡」ということで、本を読んでみた。
 
「なんもしない人」を無料で貸し出す!?
「ごく簡単なうけこたえ以外なんもできかねます」とのことで、
「人に言えない話を聞いてほしい」
「マラソンのゴール地点にいてほしい」
「明日の朝6時に『体操服』とDMを送ってください」的な依頼もある( *´艸`)
これって、何もしていないようでなんかしてるよな??
そう、なんもしない人さんも「人」なので、
「なんもしない」の線引きがかなり曖昧だと本人も言っているが、
彼の淡々としてやる気なさそうな雰囲気や、存在感のなさ、
シュールでクスっと笑えるつぶやきがおもしろかった。
いやぁ~しかし、彼のところに寄せられる数々の依頼を読んでいると、
私とは住む世界が違う人がたくさんいること、そして、まるで探偵ナイトスクープの依頼のように、
世の中には思いもよらないことを考え、生きている人がいるんやな~とつくづく思い知らされた。
「人に言えない話」などはなかなかに重かったりするので、なんとなく「恐れ」を感じながら読んだ。
そもそも、「【なんもしない人】にも価値はあるんだろうか?」ということを追求するために活動を始めたそうだが、、
老子の「無用の用」(=役に立たないと思われているものが、実際は大きな役割を果たしているということ)になぞらえて、
「なんかする人に価値があるのは、なんもしない人がその役割を果たしているから」や、
「なにもしなくていいということは、なにをしててもいいということ」。
結局「何もしないことは存在しないことでしか達成できない」などなど、、
予想していた通り、哲学的でややこしいのですが、、
いずれにせよ、大学院まで出て就職したのち、30代半ばで「なにもしないで生きていきたい」と思い、
お金をもらわずに始めたことが、今では本が出版され、テレビで取り上げられ、
NEWSの増田くんでドラマ化もされているとのこと(水曜深夜)なんやから、
人生ってどこでどう転ぶかわからない。
その彼が参考にしたのが、私がどこぞのプロレスラーだと思っていた「プロ奢ラレヤー」という人で、
人に「おごられる」ことを仕事にしている男性。
 
そして、もう一人、、ホームレス生活で「1日50円」で自分をレンタルし、→月収1500円!
「50円じゃ悪いから、、」と、いろんな人に食べ物や泊まる場所を与えてもらい、
25キロも太った上に結婚までしたという「ホームレス小谷」というヤツもいるらしいではないか!
 
世の中、一体何がどうなっているのか( ゚Д゚)
 
3人に共通しているのは、スマホというデジタルなツールを駆使して、
超アナログな「人との関わり」だけで自分が生かされているということ。
きっと依頼する側も、AIやロボットではない、そこに温かい血の通った「人間」を求めているんだろうなと思う。
だから、人は誰だって、そこに存在している以上、
「なんもしない」といいながら、誰かに、何かに、多かれ少なかれ何らかの影響を与えていると私は思っていて、
本人がまったく気がついていないところでの、ちょっとした何気ない言葉や行動でさえ、
誰かを救ったり、逆に傷つけたり、誰かの人生を大きく左右することもあるのだと。。
例えば、
毎朝、ゴミ拾いをしながら「おはよう、いってらっしゃ~い」と通行人に大きな声であいさつするおじさんが、
その向かいのマンションの8階で、まだベッドでグダグダ寝転んでいる私を元気にしているのです。
たまにベランダからこっそり見ている。→おっちゃんは夢にも思ってないやろな~( *´艸`)
お隣のレストランの毎日楽しそうに話す声や笑い声を、私は秘かにとても微笑ましく聞いているのです( *´艸`)
→家族でそんなに話すことあるw??
そして、一週間の仕事が終わって帰るときに、「お疲れさま~」と満面の笑顔で中から手を振ってくれる姿に、
疲れも吹っ飛び、私のごく普通の一日に、まさに「ささやかな幸せ」を与えてくれているのです(*^-^*)
 
みんな、誰かの、何かのためになっている。
みんな、それぞれに価値がある。
なんもしない人なんていない。。
要するに、大事なのは「笑顔であいさつ」か。
小学生が言われることやん(*´▽`*)
ちなみに、なんかしてほしい人には「おっさんレンタル」というのがあるらしい。→1時間1000円
「レンタルめっちゃする人」なども出てきたらしいが、すぐに廃業したとのこと。。
というわけで、レンタルさんが「加瀬亮」に見えて仕方がない、き~よ~ちゃんでした!
ありがとう。