桃の節句、3月3日。
懐かしい思い出がよみがえる。床の間に7段飾りの雛人形。
子供の頃はよくわかってなかったけど、まずスチールの棚を組み立てるところからなので、
まぁ、それはそれは母は大変やったやろな~。
「お雛さん、右と左どっちやったかな!?」と毎年言っていたような( *´艸`)
立派に並べられた雛飾りがいつもの部屋の空気を一変したことや、
赤い布の手触り、下段に並ぶ漆黒に塗られた小さな箪笥などがかわいかったことなど、
そのときの記憶や感覚を今もよく覚えている。
ちらし寿司、菱餅や甘酒にケーキ、いつもと違うごちそうが並ぶ。
チョコレートでコーティングされているひなあられをめぐり、1つ上の兄とケンカに。
折り紙の金と銀もそう、全体の数に対して明らかに少なすぎるやろ(*´▽`*)
大正生まれの祖母は、おひなさんに限らず遊びに行くとよくちらし寿司を作ってくれた。
「あったかごはんに混ぜるだけ~♪」とサブちゃんが宣伝していた「すし太郎」で(^^)
でも、ちゃんと金糸卵と茶碗蒸しを作ることは欠かさなかった。ユリ根の食感が独特だったな。。
一緒におはじきをしたり、お手玉をしたり、おやつは私たち兄妹が好きなポテトチップスと、
おそらく元気ハツラツ長嶋さんに影響されてであろう、いつもたくさん買ってあり、
「キヨちゃん、オロナミン飲むか?飲み」と手渡してくれた。
そんな時代だった。
大人になった今、そんなことをふと思い出すと、
本当に大事に育ててもらい、私が思う以上に愛されていたんだな~ということを改めて知る。
そして、親や兄、祖父母に対していろんな思いが湧いてきて、胸が熱くなる(泣)
「ごめんね」と「ありがとう」
この言葉がすべてです。。
私がまだ実家で暮らしていた20代半ば、何気なく見ていたドラマを見て、ひとり部屋で号泣したことがあります。
「百年の物語」(2000年)
女性の生き方が百年の間に大きく変化したことをテーマに、大正、戦後、現代と、
松嶋菜々子がそれぞれの時代に生きた女性を3夜連続で演じたドラマ。
ビートたけしや渡部篤郎が出ていたのが印象的でしたが、
最後に「Only Love」という曲とともに流れたナレーションに心を打たれました。
それ以来、ず~っとその曲やドラマのことが気になっており、
機会があればもう一度見たいなと思い、数年前にようやくDVDを借りました。
やはり祖母や母が生きてきた時代を思うと、とても考えさせられるものがあります。
この気持ちを忘れたくないなと思い、何度もビデオを止め、そのナレーションを書き残しました。
・・・
「20世紀の女の生き方」
20世紀という100年がもうすぐ終わろうとしています。
たった100年なのに、時代はめまぐるしく変わりました。
100年前、女性はまだ自分で結婚相手を選ぶこともできず、まるで人形のような生き方を強いられました。
戦後になって女性は自立に目覚めましたが、まだ偏見も多く、
自分に素直に生きようとすればするほど、つらい思いをしなけれなりませんでした。
それに比べて、私たちの生活は信じられないくらい快適なものになりました。
今は何でも自由で本当に幸せな時代です。
でも、逆に、それが私たちのかせになっているのかもしれません。
自由すぎるせいで、私たちは今、大事なものを見失っているんじゃないでしょうか。
私たちは決して忘れてはいけないと思います。
母やその母、そしてその母たちが精一杯人を愛してきたからこそ、この世に生を受けたということ、
たくさんの愛の積み重ねの上に、私たちは今、こうして生きているということを。
そう、私たちは決して一人じゃない。
「Only Love」ナナ・ムスクーリ
https://www.youtube.com/watch?v=hjmxYHu0nWY
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ついつい、ひとりで好き勝手自由に生きていると思ってしまいがちな私。。
まさに、大正時代に生まれ、戦争を経験したおじいちゃん、おばあちゃん。
戦後、団塊の世代としてがんばって働いてくれた父。
必死に家庭を守り、自分のことはいつも後まわしで子育てした母。
小さい頃はよくケンカもしたけど、昔も今も、いつもいちばんに私を心配してくれている兄。
そして、今まで私を大切にしてくれた人、今私を大切に思ってくれる人に、
この気持ちを忘れないように、、
心から、ありがとう。